TYT-069

管理番号： TYT-069
妖異通称： 魔界騎士
危険レベル： レベル3
遭遇した場合は対象に気付かれないよう最大限の注意を払いつつ退避してください。物品や事象の場合、直ちにその場から離れます。非常に危険な対象です。もし貴方の存在が相手に認識された場合、生命に関わる危機的状況に陥っていると考えるべきです。
対応状況：
帝国妖異対策局による無力化済み。

不破寺局員によって討ち取られた妖異の首。

●社会健全化教育実験街区封鎖事件
平成から始まった社会健全化運動の波を受け、健全な社会実現のための特別実験街区として指定された■■県■■町が、平成25年4月に外部との接触を極力少なくするために自らの町を封鎖しました。町の封鎖状況は非常に堅牢なもので、町を維持するためのインフラ整備や行政等における最小限の接触が行われるだけで、その後内部の様子は一切不明のままです。封鎖以降、健全な社会の実現に憧れる人々や人権運動家等がこの町へ移住しています。移住を受け入れられた人々についてのその後については把握されておらず、その多くが現在では失踪者扱いとなっています。

●■■町長失踪事件令和5年■月、帝国妖異対策局が同町へ立ち入り調査を行った際、失踪者についての追跡調査も行っています。その際、町長執務室にて妖異を確認しこれを撃退しました。町長の自宅からは白骨化した町長及び失踪者■■名の白骨化した遺体が発見されています。

町役場の職員によって正装で丁寧に運び出される町長の遺体。

●なし

■■町は、性差別運動に熱心な政治家や著名な教育者・人権活動家を数多く輩出しており、昔から町をあげて社会健全化に取り組んでいます。町内全ての男子部屋に立ち入り調査して集めた卑猥な雑誌やゲーム等を中央公園で一斉に燃やす煩悩昇華祭は、年に一度の夏の風物詩として全国から観光客が集まる一大イベントとなっていました。男女性差別を無くすための試みとして町内にある●●中学と●●●高校に、ボディラインや肌を完全に隠すことができるということから防護服の導入が決定された頃から、運動の過激さに拍車が掛かってきました。しかし当時、帝国内で流行していた青少年健全化推進運動の大きな波によって、その過激さが「社会健全化に向けての熱心さ」として捉えられ、マスコミによって徹底的に持ち上げられることとなります。その影響を受けた政府によって翌平成23年に同町は『健全な社会実現のための特別実験街区』に指定されることとなりました。結果、同町による社会健全化はより過激さを増し、より高圧的で圧政的なものとなっていきます。やがて（彼らから見て）あまりにも健全化に立ち遅れた外部との接触を同町自体が厭うようになり、その結果として平成25年4月の封鎖事件が発生することになります。封鎖以降は、町の内情が一切隠されるようになり、外部からのアクセスは町に入る国道に設けられた関所に限定されるようになりました。

令和5年■月に同町にて妖異のものと思われる事件が多発。町の住人から帝国妖異対策局へ妖異発見の通報があり、調査が行われることとなりました。調査に当たって同町は、町が指定した装いをすることと案内人を付けることを条件に、帝国妖異対策局に対して町内への立ち入りを許可しています。

町の案内の前に諸注意を受けるTN80K-Hachi(左)と不破寺局員(右)

町のメイン通りをあるく若い女性。ファッションに拘りを感じます。

町を案内してくださった佐藤武さん。この町に誇りを持っており、その健全さについて熱く語ってくださいました。

階段に腰を下ろしてくつろぐ女子高生。この後佐藤さんにはしたないと注意されていました。

先の女子高生の所持品検査で発見されたエッチな写真。素手が見えているのは外部におけるモザイクなしに相当するようです。

町に新しく転入してきた人々の失踪について、最初に疑問を持ったのは役場の職員でした。失踪者の多くが転入初日に町長宅へ挨拶に向かっていることを怪しんだ職員は密かに町長の動向を監視するようになりました。■月■日夜に町長宅に忍び込んだ職員は、町長が妖異の姿を現すところを目撃しますが、鎧の音で気づかれてしまい、慌てて逃げ出すも庭先で捕食されてしまいます。その様子を通りかかった女性が目撃（彼女は町に転入したばかりで鎧に慣れていなかったため、普通の服で夜中に散歩していた）、帝国妖異対策局へ通報しました。

通報を受けた帝国妖異対策局は直ちに現場に急行。慣れない鎧を着ての戦闘に苦労したものの妖異を無力化に成功しました。

町の人間全てが鎧あるいは防護服を着ていたため、町長と妖異が入れ替わっていたにも関わらず気が付く者がいなかったことが事件の大きな要因でした。そのために妖異への対応が遅れてしまい、結果として■■名の犠牲者を出すに至っています。

町長と妖異が入れ替わってからのことを、関係者は「町長の趣味が変わったんだな」としか思わなかったと口をそろえて証言しています。

なし