TYT-028 - 牛鬼
管理番号: TYT-028
妖異通称: 牛鬼(うしおに|ぎゅうき)
危険レベル: レベル3
遭遇した場合は対象に気付かれないよう最大限の注意を払いつつ退避してください。物品や事象の場合、直ちにその場から離れます。
非常に危険な対象です。もし貴方の存在が相手に認識された場合、生命に関わる危機的状況に陥っていると考えるべきです。
対応状況: 調査中
外観
江戸時代の画家 佐脇嵩之(さわきすうし1707年~1772年)『百怪図巻』より
関連事件
● 目撃情報はあるものの、明確に牛鬼によるものと確定される事件は確認されていません。
広域情報
● 西日本で目撃されることが多いものの、それ以外の地域においても目撃したという事例が確認されています。
ポイント
牛鬼は西日本において古くから知られている、牛の頭と鬼の身体を持つ妖異です。牛の頭という特徴はほぼ固定されているものの、鬼の身体という表現は非常に曖昧で、伝承や目撃者によってその姿は様々に捉えられているようです。身体は着物姿の人間だったり、巨大な虫の胴体だったり、中には羽を持って空から飛来してきたという証言も存在します。
いずれにせよ牛鬼は非常に獰猛かつ危険な妖異であり、人を見つけると執拗に襲い掛かるとされています。
牛鬼については様々な伝承が残されています。ここでは一例として、以下に石見辺の漁村に伝わるものを紹介します。
牛鬼というのは、海から出現して人間を喰いにかかると言う海妖で、動物かまたは悪鬼の類であるかは判らぬが、額に一ツの角が生えており、恐ろしく光った目のある怪物であって、それが出る前には、まず濡れ女というものが現れるのだ。濡れ女は神通力のある一種の陰鬼で、濡れそぶくれた婦女の姿をしたもので、これもまた海中から出てくるものだ。しかしてこの者は必ず二三貫もある手ごろの小岩かあるいは一人の赤子を抱いているのだが、この者が出てくると、妙に人間の身体が半ば麻痺するような感じがする。つまり、この者の魅術に罹るのである。
さてその濡れ女が出てくると、必ず人に対して、自分の抱いていた岩か赤子かをちょっと抱いてくれと言って渡すのであるが、人間がそれを抱くと、手に吸い付いて離れない。しかして彼女は海中に没すると、やがて牛鬼が出現する。つまり、濡れ女は牛鬼の水先案内人をする訳である。また濡れ女が出る前には、これにも前触れがある。魚の釣れが俄然多くなったり、或いは海中から蛍火のようなものが無数に出てきて、釣りをする人の身体に飛びついて粘着するのだという。
それでまず濡れ女が出現して、石か赤子を抱かせるときには、手袋か足なかかを手に嵌めて受け取り、それをに膠着させて一緒に投げ捨て逃げ出さねば命が危ないという言われている。
友清歓真編『幽冥界研究資料』 第弐巻(1926)より抜粋
対応詳細
帝国妖異対策局では現在、牛鬼に関する情報を収集中です。
懸賞金
西日本の市町村において、牛鬼の捕獲に対して報酬を