普通の妖異だったのに転生したら悪役令嬢に生まれ変わっていた件
第二話 えっ!?……わたしの人望なさ過ぎ!
「はぢぃぃぃぃ」
お嬢様的にはNGなのは百も承知なのだけど、わたしは鼻水もよだれもお構いなくダラダラと垂れ流しながら大泣きしていた。
「お嬢様……。」
そんなわたしの顔を拭いたり頭をなでたりして、かいがいしくHachiがなだめてくれる。
「生徒会選挙………」
また学校での出来事が思い起こされ、わたしは目からたちまち大粒の涙がこぼれだす。
「あんな大差を開けられるなんてぇぇぇぇぇぇぇ」
そう……。
わたし、山王寺小影は本日の生徒会選挙で敗れたのだ。しかもただ敗れたのではない、大敗した。
三人いた候補の中で最低の票数。しかもどちらと比較してもダブルスコア以上の差を開けられていた。
というか、もっと酷い。
正直な話、わたしに票を入れた人の顔全部思い浮かべられるくらい……。
「わたしを嫌ってる人がいるのはわかってる、わかってたけど……」
それにしてもわたしってあんまりにも人望なさ過ぎじゃない!?
「わーん、はぢぃぃぃぃ」
このまま泣き死んでやろうと、いまは本気で思ってる。
CREDIT
© 2019 HachiStudio
License: CC BY 4.0