対決!花山カルデラ
仕事をサボって食事中だった不破寺真九郎は、美少女の悲鳴を耳にした。
遠くから黒い影のようなものがこちら方向に走ってくるのが見えた。
影が近づくにつれ、真九郎はそれが美少女を脇に抱えて走っていることに気が付いた。
真九郎は、影の進路上に飛び出してその行く手を阻んだ。
影の姿をはっきりと視認したとき、それが花山カルデラであることがわかった。
恐らく誘拐目的で花山カルデラは美少女を攫おうとしていたのだろう。
何としてもそれだけは阻止しなければならない。真九郎はそう思った。
真九郎「花山カルデラ!」
影に向けて雷鳴のような怒声を浴びせると、花山カルデラは突然の闖入者に驚いて美少女を取り落とした。
真九郎は花山カルデラに向ってにじり寄っていく。
花山カルデラは足が速い。逃げられると追いつけなくなるかもしれない。
瞬間の判断で、真九郎は相手に瞬きする間も与えず技を繰り出した。
真九郎「影断ち!」
花山カルデラに息次ぐことさえ許さず、不破寺真九郎は攻撃を続ける。
真九郎「春雷!」
連続攻撃に思わず花山カルデラがよろめいたところで、真九郎は止め技を決めた。
真九郎「飛燕!」
花山カルデラ「ぴゃぁぁぁ!」
決め技をまともに受けた花山カルデラはその場に倒れ、泡立つ青色の液体と化して消えていった。
美少女は安心したのか、真九郎の胸にすがりついたままわんわんと泣き続けた。
(つづく)
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