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モルディギアン

私は《 死すら恐れ避けたるモルディギアン 》について調査を続けていた。

《 口にすることさえ憚れるインスマス 》を訪ね、次に《 かの暗黒の民でさえ忌み嫌うユゴス 》に行き、

《 人類の真の支配者たるハバルナ港 》では《 闇の中の闇たる灰色の織り手 》と戦い、《 大地よりも古き生まれなる牧野 》では《 闇の神々さえ畏れ忌み嫌う砂に棲むもの 》を倒し、

《 あらゆる邪悪がかしずく暗黒の王たるヒュペルボレオス 》や《 狂える砂漠の詩人が命をもって讃えたるヒューペルボリア 》を巡り、必死で手掛かりを求め続けた。

ある日、旧き神の一柱であるアリトライ=ティイが夢枕に立った。神は、もし私がモルディギアンを倒すつもりであれば力を授けようと言った。 私は必ず成し遂げることを誓い、神より《 血塗られた宝冠を戴く輝くトラペゾヘドロン 》を授かった。

《 シュゴラン 》の追撃を何度もかわしつつ、私は永劫とも思われるときの間を旅し続けた。

ついに《 地球よりも古きオロンテス川 》にて《 闇に潜みたる悪の女王なるモルディギアン 》の召喚に成功した私は《 あらゆる邪悪がかしずく暗黒の王たる旧神の印 》を頭上高く掲げ、モルディギアンをこの世界から退散させる呪文を詠唱した。

しかし、モルディギアンは何の反応も見せず、しばらくして大きな欠伸をひとつした後、私を叩き潰した。 《 穢れの中の穢れモルディギアン 》が召喚された世界は、その後しばらくして滅亡した。

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  • 最終更新: 2019/08/25 13:02
  • by hachistudio