ゆっくり朗読 「帝国妖異譚07 松島事件 08 松島事件(真相)」 柳野町男





松島事件
七 帝国本土から約220km離れたる海域に松島あり。元々は鬼族である竹島家の者が代々領主を務めたる島にて、長きに渡り島民は平穏なる生活を送れり。しかれども十年前に島内にて深刻なる流行病が広がり多くの者が死に絶え、生き残りたるもの悉く本土へ避難せり。
それ以来、島は封鎖され立ち入ることを固く禁じられたり。本土に渡りし者、悉く島に残したる財産を失ひ貧するもの多し。

松島事件(真相)
八 松島事件は公には流行病が原因にて、島内に人は住めぬ環境と変われりと伝えられしが、蒼君は三浦家にて別の話をご令嬢より伺えり。
事実は流行病にあらず、妖異なりとのことなり。島に大量の妖異が現れ村人を次々に虐殺し始め、生き残りし島民悉く島を脱出せりと言うのが真相とのことなり。
島の領主である竹島家の当主は、島民を全て脱出する船に導き、妻子を船に乗せた後、家宝の大槌を振るいて妖異の群れの中に飛び込んだということなり。
爾来、竹島家当主の姿を見た者はなし。
残されし母娘は三浦家の庇護の元で帝都にて暮らしたるとのことなり。娘の名は佳絵瀬と言い、三浦家のご令嬢と同じ学校に通っているとのこと。


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